ゴールデンウィーク前に、国内で、はしかの感染が拡大しています。一人の外国人旅行者から、すでに72人まで感染が拡大しています(4月25日現在)。空気感染するため、インフルエンザの6~7倍感染力が高いということから注意喚起が行われています。麻しんウイルスは非常に小さく、マスクは効果がなく、対策が予防接種のみであることを知り、対策をすることが必要となります。企業においては、ワクチンの空白世代を中心に啓発が必要です。
はしか(麻しん)は、空気感染し、感染力が非常に強い
ゴールデンウィークは、人の行き来があるため、感染の機会も拡大してしまいます。
はしかに感染したことがなく、予防接種をしていなければ、感染者と居合わせるだけで100%感染するとも言われています。ウイルスが小さく、空気感染し、マスクも効果がないということもあり、メディアを通じて積極的に注意喚起が行なわれています。
感染してしまうと、高い確率で脳症や肺炎になってしまいます。1000人に1人が死に至るという恐ろしい病です。
初期症状は、かぜに似ており、2~3日で発疹、高熱が現れます。妊婦が感染すると流産の恐れもありますので、周囲の人のためにも感染を広げないよう用心をしなければなりません。
はしか(麻しん)予防接種の空白期間 =28歳~41歳=
予防接種をしていても安心できません。現在2回接種となっていますが、実は、予防接種の空白期間があります。そのため、感染拡大の危険があります。
その空白期間とは、平成18年(2006年)に2回接種になるまでの1977年から1990年生まれの28際~41歳が対象です。
ということは、企業内に多数在籍していますし、妊娠中の方も多く周囲にいらっしゃる世代です。
1回しかワクチン接種していない場合は、もう1回接種することが推奨されています。予防接種しか予防方法がありませんので、企業として推奨する必要があります。感染症対策は、企業のリスク対策として非常に重要な項目の一つです。
お子さんをお持ちの方でしたらご存知だと思いますが、予防接種の方法は、頻繁に変更されています。
麻しんワクチンの空白世代に該当しているにも関わらず、自分が空白期間の対象だと認識していない方が多くいらっしゃることが想定されます。
1回接種では十分な抗体ができておらず、追加接種が必要であると企業内で啓発が必要です。
はしか(麻しん)と就業制限
感染症法に規定する感染症によると「はしか(麻しん)」は、インフルエンザと同じく五類感染症ですので、就業制限(法律に基づく出勤停止)の対象ではありません。
感染症による出勤停止の場合、無給で差し支えないのですが、季節性のインフルエンザ同様、自宅待機命令として出勤停止させる場合は休業手当の対象となります。
<関連法令>
- 労働安全衛生法第68条(病者の就業禁止)
- 労働安全衛生規則 第61条
- 感染症法第6条 感染症の分類
- 感染症法第18条第1項 就業制限
- 就業制限の対象となる職種と就業制限期間
- 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における健康診断、就業制限及び入院の取扱いについて」の一部改正について平成28年4月1日健発0401第3号
最近ようやく、インフルエンザに感染した際には、感染を広げないために自ら休む方が増えました。良い傾向だと思います。
自らが感染を広げてしまったため、業務停止だけでなく、不幸にも重症化したり、亡くなられる方が出てしまっては後悔してもしきれません。
非常に感染力の強い病気ですので、正しい知識を持って、感染を広げない行動をしていただけるよう願います。