監視カメラの不正アクセスとIoT機器のセキュリティ対策

キヤノン製の監視カメラに不正アクセス被害があったことが5月7日に報じられています。

千葉県八千代市と埼玉県上尾市では、水路に設置した水位監視カメラが乗っ取られ、操作できなくなりました。これまでに全国の60台以上のカメラが不正侵入されたとみられているとのことです。

かつてから監視カメラの乗っ取り事例は報じられています。その都度、対策が呼びかけられていますが、残念ながら再び被害が発生しました。

パスワードは初期設定のまま使わないよう呼びかけられているにもかかわらず、今回の件も、適切な対策がとられていなかったとのことです。

なかなか、必要な情報が浸透しないものですね。

インターネットに接続することとは

インターネットに接続するということは、そこへの不正アクセスが避けられません。監視カメラも設置場所によってはとても不安が募ります。

以前、日本国内の多数の監視カメラの映像が海外のインターネット上に公開されていたことがありました。恐怖を感じた方も多いと思います。そうした恐怖心は長続きしないのかもしれません。またこうした事案が発生してしまいます。

自宅にネットワークカメラを設置すれば、留守中の不審な動き、子供の様子、ペットの様子を外出先から簡単にスマートフォンを使って確認できるようになっています。結構低価格で簡単に購入できることに驚きます。また、企業でも監視カメラの設置は進んでおり、目的によって社外や社内に設置しています。個人情報保護のため、重要な情報を取り扱うエリアに設置することもあります。

自分で設置できるものもありますが、業者に委託して設置することもあると思います。その際は、きちんと確認してパスワードを変更しておく必要があります。

カメラの機能は進化し、外部から操作し、任意の方向へカメラを向けたり、ズームしたり、できますし、暗い中でも見えたり、そもそもの画像もきれいになっていますので非常に恐ろしいですね。

人命や財産を脅かすリスクも

IoT機器と呼ばれるインターネットに接続する機器は、私たちの生活を快適にしてくれますが、そこにはリスクがあります。

今回は監視カメラの事例をご紹介しましたが、正しく機能しなくなるとか、盗み見られるという被害以外にも、人命や財産に直結するようなリスクもあると注意が呼びかけられています。

どのような機器が思い浮かびますか?例えば、健康状態や運動量といったヘルスケア情報を収集するものによる個人情報の漏洩があります。

複写機をターゲットにした攻撃もありました。大量の機密情報が閲覧可能な状態となってしまいました。

また、自動車もインターネット接続できるようになっており、ハンドルやブレーキといった制御を外部から操作される恐れもあります。自動車については、すでに140万台に及ぶリコールも実際に発生しています。

エアコンやその他の家電も次々とインターネットに接続しています。外出先からエアコンを操作し、帰宅時には快適な室温になっていれば便利ですが、それを悪用されると人命にかかわります。

どんどん生活に入り込んでくることでその人の生活パターンが筒抜けとなり、留守を狙った犯罪のリスクもあります。

こうしたIoT機器は単独でメーカーの意図したとおりの使われ方をしていれば、まだリスクもなんとか対策ができますが、機器どうしを接続したり、目的外の使用をされた場合のリスクまでは想定できません。

インターネットに接続するということは、どのようなリスクがあるかしっかり理解して、正しく対策をして利用することが欠かせません。