2018年6月5日、平成30年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(以下、環境白書とします)が閣議決定され、環境省のウェブサイトに掲載されました。
平成21年版から3つの白書は合冊されています。書店等で購入することもできるのですが、ウェブサイト上で無料で読むことができます。
最新のキーワードが数多く解説され、施策の結果や今後の取り組みがまとめられています。
その中から、私の気になったキーワードをご紹介します。
持続可能な開発目標(SDGs)
2015年に国連総会でSDGsが採択されました。最近、この「SDGs」っという言葉を見かけることが多くなりました。「エコロジー」から「SDGs」に置き換えているケースが多くみられます。
2030年の世界目標として17ゴール、169ターゲットが設定されており、SDGsの達成には、「環境・経済・社会の統合的向上が必要」とのことです。
2017年に、我が国では「SDGsアクションプラン2018」が決定されています。そこから、国家、企業、各種団体で活動のベースとして設定され、取り組みが進められています。
企業にとっては国の定めた「SDGs活動指針」における8つの優先課題のうち、いずれかが、自社の活動に関連しますので、経営計画を策定する際には、参照しておくことをお勧めします。
シェアリング・エコノミー
シェアリング・エコノミーには、私たちがすっかりおなじみとなったサービスがあり、この白書に例示されています。
移動手段のシェア(カーシェア、サイクルシェアなど)
モノのシェア(フリマアプリなど)
空間のシェア(ホームシェア、遊休施設のシェアなど)
「平成30年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(概要)より
遊休資産等を有効活用することで、過剰消費と使い捨て文化に変わる新たなライフスタイルをもたらす可能性として期待されています。
市場規模は2017年に636億円ですが、右肩上がりで成長し、2021年には1071億円規模になると予測されています。洋服やバッグなども所有からレンタル活用への動きがありますし、確かに、成長が期待される市場です。以前ご紹介した空き家問題も、うまく解消されるといいですね。
働き方改革
環境面から、テレワークによる効果が期待されています。
移動に伴うCO2排出量の削減や、ペーパーレス化、オフィスの電力消費量削減といった効果があります。
また、社会問題となっている宅配便の再配達削減によって、大幅なCO2排出量の削減が期待されています。
戸建て住宅用宅配ボックスの設置もすすみ、1回で受け取ることによる効果が福井県あわら市とパナソニックの実証実験により明示されています。
ここまで、3つのキーワードをご紹介しました。
統計データも多様し、しかも、その統計データが活用できるよう、ウェブサイトに掲載されています。信用度の高い資料ですので、私も、自社の環境保全活動の経営陣へのプレゼンとして白書から引用をすることが多いです。
この白書を読む会というものも全国で催されますので参加してみられるのも良いと思います。