2018年6月8日に「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」が改訂されました

経済産業省は、2018年6月8日に、「ダイバーシティ2.0」の検討会提言をとりまとめたことを公表しています。

取締役会における多様性の確保と、企業と労働市場・資本市場の対話促進のための方策について計3回の検討を行っています。

提言を取りまとめ、合わせて、2017年3月に策定・公表した企業が取るべきアクションをまとめた「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を改訂しました。

背景

もともと、2017年3月に、「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を策定・公表しました。

2018年4月より、検討会が再開され、「ダイバーシティ2.0の更なる深化に向けて」を取りまとめ、「ダイバーシティ2.0行動ガイドラインを改訂しました。

世の中の変化に対応するということですね。ダイバーシティの重要性が拡大しているようです。

そのうえ、企業が労働市場・資本市場に対して情報公表を検討することが求められる事項についても、「情報公表を検討すべき事項」において整理したとのことです。

こうして、明示されると、企業はそれに従って情報公表を進めていくこととなります。

この資料も、注目ですね。

その内容は

上場企業の女性役員数の数値目標とか、結構、話題になったので、この点については、ご存じの方も多いと思います。

今回、新旧対照表も併せて公表されていますので、それを確認することで、どういった面が強化されたのかがわかります。

例えば、取締役、監査役について、これまでは女性も不可欠であることが記載されておりましたが、改訂版では、国際人材1人以上ということが追加されています。

そして、具体的に、KPIが例示されていますので、これからの取り組みを設定する際に、参考にしたらスムーズに、検討に入ることができそうです。

何といっても、情報公開について、かなりのボリュームで追加されています。公表を意識した取り組みを、あらかじめ考えておかなくては、大変です。

多様性を認め、対応していくことの必要性は、だんだん、浸透してきました。頭ではわかっているけれど、自社で取り組もうとすると結構、大変です。

その一方で、改めて言われなくても、すでに実践しているよという、企業もあることでしょう。

ですが、依然として、取り組みが進まないこともあって、政府は、こうしてガイドラインを策定したり、他の制度とリンクさせて、取り組むことで恩恵を受けることができるよう、仕組みをつくっています。裏返せば、先行して取り組んでいる企業にとっては、ありがたいことですね。他社と差別化できるアピールポイントとなります。

表彰制度もありますから、表彰されると、優秀な人材を確保するうえでも、恩恵が大きいです。

これから先予測される変化は

こうして、新たなガイドラインが公表されると、企業はそれに従います。

というのも、あらゆる面から企業は評価されていますから、こうして明示された基準をどれだけ準拠しているかということが大切になってきます。

しかも、この提言が、「なでしこ銘柄」の選定基準へも反映されるとのことですから、株価に影響するとなると、なおの事、真剣に、この基準に従うことができるよう取り組みを行います。

IR報告書や、統合報告書といった企業が発行する報告書には、ダイバーシティへの取り組みに関する報告も当然、強化されます。

書く側は、当然、少しでも高く評価してもらえるよう、工夫して、嘘ではないけれど、盛って書かれていることもありますので、真の姿を見抜けるような目を養う必要があります。

企業としては、資金確保、人材確保に真剣ですから、わかります。

私も、書く側でしたので、そのあたりは、苦労してきました。社内からの要望もあれこれ、あります。知りたいことと、知らせたいことって、微妙にずれているんですよね。