平成27年4月に施行されたフロン排出抑制法をご存知ですか。
私も、いろいろなところで話題にしてみるのですが、知られていない法律ですね。
フロンガスの回収について定められた法律がありましたが、使用中に漏洩しているガスが相当量あることが判明し、業務用冷凍空調機器のユーザーに対して新たに対応が義務付けられました。
業務用エアコンが対象に含まれていますので、対象となるユーザーは多いはずなのですが、あまりにも知られていません。
義務の概要
機器の適切な場所への設置、機器の点検の実施、点検等の履歴の保存、フロン類の漏えい量を計算し一定量以上は国に報告、行程管理制度に則った適切な機器廃棄等が義務付けられています。
業務用のエアコン、業務用冷蔵冷凍庫、食品用のショーケースなど、対象となる機器は結構あります。「業務用」とは、それが家庭で使用されていても場所に関係なくその法律の対象となります。本体に貼付されているシールやメーカーに問い合わせて確認します。この法律の対象となる機器には「第一種特定製品」と記載されています。ただ、製造年によって記載がない場合もありますので、ご注意ください。
これまで、冷房の調子が良くない場合に、フロンガスを追加するということもあったかもしれませんが、修理をしなければガスの追加はできなくなりました。
その機器がある限り、修理や点検の記録を保管しなければならないので、結構大変です。使用が終わった機器から回収されたフロンガスについては、産業廃棄物におけるマニフェスト票と同様の記録が必要となっています。
業務用エアコンを設置していたらどうなるの
エアコンの規模によっても異なるのですが、3か月に1回簡易点検を自らしなくてはならなくなりましたので、私も台帳をはじめとする記録様式一式を準備し、関係各所へ呼びかけました。
法改正に伴って必要となったことを説明しても、少ししたら皆さん忘れてしまうのです。こんなめんどくさいこと…とだんだんと協力的でなくなってきます。まるで私が勝手に手順を決めたかのようにすっかり悪者扱いで悲しくなりました。
それもこれも、社内それぞれの担当者がお客様先で話をしても、知られていないので社内の独自ルールだと勝手に思っていた(思いたかった)のでしょう。
役職が上の人に向かって無駄な手順の一つとして廃止するよう打診してきた人までいました。
そんなものなのですよね。どんなに頑張って、繰り返し社内啓蒙し、直接説明に回ってもなかなか難しいものです。
おまけに、簡易点検は自分たちでコツコツ続けていけばいいことなのでまだ良いのですが、室外機の大きさによっては、業者による定期点検が必要となります。これが、1台当たりなかなか高額で、予算を獲得するのが大変でした。いくら法律に基づく必要な点検だとしても、新たにまとまった金額が必要となりますので、快く出していただくというわけにいかないのです。
日々のメンテナンスを委託している業者が詳しいかと思ったら、意外とそうでもなく、必要な修理記録を請求しないと渡してもらえなかったりと残念な状況でもあります。この法律が浸透するには時間がかかりそうです。
同じよう社内でに苦しんでいる方もいらっしゃることでしょう。
コンプライアンス重視といいながらも
法律は「知りませんでした」が通用しませんので、私も積極的に情報を収集し、経営層へ報告するのですが、「また、新しいの見つけてきて…」と知ってしまうと対応しないといけないと及び腰になる空気を感じます。「コンプライアンス」と口では言いますが残念です。
詳しくは環境省のフロン排出抑制法ポータルサイトにてご確認ください。
また、全国で7回(東京2回、名古屋、熊本、仙台、大阪、岡山)ですが5月~6月に開催する説明会の案内が環境省より5月7日にありました。こうした説明会に参加することもおすすめです。