国土交通省は、2018年5月30日に「公共交通事業者に向けた接遇ガイドライン」を公開しました。187ページもあります。
公共交通機関向けとありますが、高齢者、各種障害者、その他の心身の機能障害、妊産婦、乳児連れの人を対象に、接遇にあたっての基本的な心構えをまとめたものですので、全ての人に参考となります。企業としては、適切な配慮を行うことが求められていますので、参照しておくとよいものだと思います。
障害者等への対応が求められる背景
2020年に東京で開催されるオリンピックに向け、バリアフリー対策が急速に進んでいます。
2013年には、「障害者差別解消法」も制定され、日常生活や社会生活において、不当な差別的取り扱いの禁止と、合理的配慮の提供により社会的障壁を取り除いていくことが強く求められています。
接遇の方法について
見た目でわからない障害を抱えている方に対して、どのような対応をしたらいいのでしょうか。ヘルプマークの普及など、制度が徐々に整ってきていますが、このガイドラインに詳しく記載されています。
声かけから始まり、相手の状況に合わせて、質問方法を変えたり、筆談、コミュニケーション支援ボードを使うといった手法が例示されています。
問題なく会話できる方に対しては、どのように対応してほしいのか聞きだして、対応できますが、コミュニケーションが困難な方に対しては、どうしたらいいかお互い困ります。
このガイドラインには、高齢者、各種障害者など、それぞれの特性、公共交通機関を利用する際の困りごと、コミュニケーションの基本について例示されています。
こうした特性を知っておくと、対応をイメージしやすいですね。
普段こうした方と接したことがない方にとって、とまどいが軽減すると思います。
車いすの扱い方ひとつとっても、使ったことがなければわからないですし、練習する機会もありません。
構造を図解して、名称の説明から、折りたたみ方、段差や階段の移動方法など、取り扱い説明があります。
公共交通機関に限らず、知っておきたい情報がつまったガイドラインですので、一読しておいて損はないと思います。
企業においては、人を迎える姿勢として非常に重要です。また、個人としても、突然、自分がここに紹介されているような方々と行動を共にしなくてはならなくなった時、まったく知識がなければ、途方にくれてしまいます。
貴重な参考資料としておきます。
参考:国土交通省 バリアフリー・ユニバーサルデザイン
交通消費者行政/公共交通事故被害支援
(http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/index.html)